真価が問われる経営者

 私の大好きな桜の季節になりました。皆様お元気でしょうか。春は別れと出会いがあり人生の大きな節目の季節でもあります。また官庁や多くの企業では4月から新年度が始まります。人も組織も新しくなる時です。私たちの組織も4月から設立時の経営理念である「地域密着の会計事務所として地域に貢献する」に原点回帰をして皆様のお役に立てるように努力してまいります。

 日本経済に新型コロナウイルス(以下コロナ)が大きな影響を及ぼしています。悪影響は経済全体に及ぶというより産業ごと、更には個人や企業ごとによって異なる様相を示しています。コロナ禍でも善戦しているセブン&アイ・HDの井阪隆一社長は「大きく変容する社会やお客様の生活の中で、社会における存在意義を見直す」と言っています。昨年コロナ融資を受けた企業の中には据え置き期間1年が過ぎる時期になり、コロナが収束しないと売上減と返済が重なります。金融機関は条件変更に応じる方針ですが、返済できる見込みがない企業への融資が続けば、金融機関の財務は悪化しますし、企業にとっても返済負担を将来に先送りにするだけになります。弊社には資金の専門家(金融機関出身者)が勤務していますのでぜひご相談ください。

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が2月で終了しました。明智光秀の人生を描いたドラマはとても興味深いものでした。光秀と信長の両者の心情の変化が見ものでした。信長は位が上がるにつれて周囲の声を聞かなくなる、若い頃から使えてきた光秀にとって複雑な心境だったと思います。「愚者は経験に学ぶ、賢者は歴史に学ぶ」と言われます。歴史にこそ今を生きるヒントがあります。未来を知りたければ過去を学ぶ、歴史を学ぶことが近道なのです。企業の未来を切り拓かないといけない経営者にとって歴史を学ぶことは必要なことかもしれません。同時に成功した人から成功体験を聞くことも大切だと思います。光秀の主君であった織田信長は「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」の性格、すなわち激しい気性の人物だった、と言われています。その性格ゆえに内外に敵が多い、最後は信頼していた光秀に苦渋の選択をさせることになりました。信長の後継者となり天下を取った豊臣秀吉は「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」の性格、鳴いてもらうために知恵を出し工夫をした「人たらし」、努力の人だったと思います。しかし豊臣政権は18年しか続きませんでした。秀吉の後に天下人となった徳川家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の性格、幼いころから人質に出されて苦労を積み重ねて61歳で天下を取り260年以上続く江戸幕府の基礎を作りました。経営者は挑戦と忍耐の連続、長期経営を目指すために先人から教訓を学びたいですね。

 次の大河ドラマは明治期の実業家、渋沢栄一の生涯を描きます。企業の公益性を説いた「道徳経済合一」の思想で知られる新一万円札の顔、どういう展開になるのか楽しみです。企業は多くの利害関係者(社員、金融機関、取引先、地域住民等々)がいる公的な存在といえます。経営者が何を優先するかで企業は変わります。特に地方では地域(住民)を無視して経営はできません。渋沢栄一の経営理念は経営者の参考になると思います。

 人口減少で市場が縮小する時代になります。高度成長期のように増収増益は厳しい経営環境です。特に地方の中小企業は経営のかじ取りが非常に難しくなります。コロナを機に企業の最適規模への永続的変化が進むと思います。私たちの会計事務所はお客様の事業が継続できるように全力でご支援をさせていただきます。今後ともよろしくお願い申し上げます。

【代表社員税理士 内田 延佳】
【『月刊 アップ長崎・島原』2021年3月号 代表巻頭言より】


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