秋晴快適の頃となりましたが皆様お元気でしょうか。10月といえば「長崎くんち」ですが、今年は新型コロナウイルス(以下コロナ)感染防止のために中止になりました。「くんちバカ」の私にとって「モッテコーイ」「ヨイヤー」の掛け声が聞けない寂しい10月を迎えました。

7割経済?

 コロナがなかなか収束しません。NHKの番組で大越健介氏が「平時から有事への切り替えがスムースに進まない中で社会の弱点を憎らしいほど突いてきたのが新型コロナウイルス、感染を防ぎながら経済回復という狭い道を私たちは覚悟して歩いていくことが求められる、道標になるのは科学者の知見とそれを受け止め訴える政治の発信力にほかならない」と言われました。総理大臣が安倍氏から菅氏に交代しました。新政権がどういう舵取りをするのか、しっかり見極めたいと思います。

 2020年4~6月のGDP(国内総生産)が年率△28.1%という情報が経済界を驚かせました。また某経済誌でも「狂乱決算、7割経済の衝撃」という特集が組まれました。4~6月期(四半期)決算ではANAホールディングス△1,088億円、日産自動車△2,856億円、日本製鉄△421億円、日本を代表する大会社が巨額の赤字決算でした。各社とも緊急融資による資金調達とコスト削減という危機時の王道で対応しています。関連する企業(下請け企業)にも少なからず影響があると思います。金融機関の幹部が「今までは緊急融資で取引先に融資をしてきたが限界が見えてきた。これ以上融資しても明らかに返済が無理と思われる企業もある。融資しない方が企業のためになることもあり難しい判断を迫られている」と話されました。貸すも地獄貸さぬも地獄、金融機関も企業も正念場を迎えています。
 経済誌によると①当分の間はコロナ前の経済状況には戻らない(7割経済=縮小経済)②テクノロジーの革新的進化により社会や業界のトレンドが激変する=既存ビジネスに激変をもたらす、とのことです。過去の成功体験や業界の常識が通用しない時代になるようです。
 経営者にとっていま必要なことは自社の経営の実情を認識することです。財政状態を表す貸借対照表(B/S)、資金の流れを表す資金繰り表(C/F)、収益状況を表す損益計算書(P/L)、この3つの表をしっかりと確認することで客観的に自社の経営状況を把握でき次の一手が打てます。攻めるも守るもその経営判断はこの3つの表がベースになるのです。財務諸表を時系列的に分析すると、私たちは長年の経験上問題点が理解できます。

 京都で人気の超ホワイト飲食店「佰食屋」の中村朱美社長の話です。「コロナの影響で売上が前年比20%となった、このままでは4か月後に倒産の危機、このような状況下で逆境を乗り越えるため4店舗中2店舗を閉鎖し23人の従業員の半数を解雇、葛藤と罪悪感があったが、そのままズルズルといって倒産するのか、閉店と解雇で生き残るのか、経営者として苦渋の選択をせざるを得なかった、決断するに際して統計とこれまでの経験則、そして数値から導き出される今後の予測等を参考にして冷静に判断した、コロナ禍で気付いたことは①低空飛行する経営に原点復帰する②日本のサービス業は数が多すぎるので淘汰が始まる③負の感情(悲しい、怒り、責任転嫁)は経営には不要なもの、一歩一歩先のことを考えて経営していきたい④飲食業も社会に認められ人々から必要とされる店は生き残る」。飲食業に限らずすべての業種に共通する内容です。

 弊社は地域に密着した税理士事務所です。経営者のお役に立ち地域経済に貢献できることを目標にしています。経営には様々な課題があります。ぜひご相談いただきたいと思います。

 

【代表社員税理士 内田 延佳】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年10月号 代表巻頭言より】


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