新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて半年以上が経過しました。当初は、夏になれば落ち着くのでは?という予想もありましたが、日本においては夏場に第二波が襲来したことで、このウイルスに季節は関係ない、ということが明らかになったようです。このまま冬になれば、インフルエンザと新型コロナの同時流行も心配されています。
 コロナ禍は、ウイルスが直接もたらす影響だけでなく、ウイルスを恐れる不安感や、感染防止のために自粛しなければならないという雰囲気なども絡みあって起こっている現象だと思います。感染防止策だけでは不安は拭えませんし、あまり不安に思っていない人も社会全体が自粛ムードであれば外出も消費も控えるでしょう。新型コロナがある限り、簡単には打破できないと思います。全ての原因は新型コロナウイルスにあるので、ワクチンや特効薬が開発されてウイルスを恐れなくてもよい環境になれば、一気に解決するのかもしれませんが、その解決はまだ先になるでしょう。当面は、今の状況は変わらないのではないか、と思います。

コロナで10年分のデジタル化が進む

 コロナ禍が始まった当初は、短期間で収束することを期待して、今を乗り切れば何とかなる、という意見もありました。しかしもう、短期間での収束は期待できないと思います。「今を乗り切る」ではなく、「環境の変化に合わせる」ことが求められます。
 新型コロナ対策として、多くの特別融資制度が設けられました。申し込まれて、すでに融資を受けられている方も多いと思います。弊社がご支援したものだけでも、100件近いお客様に対して20億円に近い融資が行われています。このお金を、当面の資金繰りに充ててしまうのではなく、環境変化に対応するための投資にも活用することをお勧めします。
 コロナ禍による急激な環境変化への対応ですので、投資も即効性が求められます。建物の建設や機械の導入、ビジネスそのものの改革などは時間がかかるので不向きです。比較的低コストで、導入に時間もかからず、効果をすぐに発揮するものとして、多くの会社ではデジタル化を進めているようです。弊社でも、Web会議システムなどの活用を一気に進めました。以前から検討はしていたものの、コストや色々な懸念があって進まなかったものが、コロナ禍により否応なしに全面導入することになったのですが、導入してみると便利ですし、懸念していたことも多くは取り越し苦労でした。その他、この半年の間に、RPA(業務自動化ソフト)、在宅対応の勤怠管理システムや書類決裁システムなども導入しました。
 多くの会社が、同様の経験をしていると思います。これらの対応は、短期的にはコロナ対策になるでしょうが、長期的には業務の効率化に繋がるでしょう。今、コロナ対策のためにデジタル化を推し進めた会社は、コロナ後も業務の効率という形で恩恵を受けると思います。

 クラウド会計システムを販売しているマネーフォワード社の辻庸介社長が、雑誌のインタビューで、ビジネスのデジタル化について「本来なら10年かかるはずの変化が1~2年で起こるくらいのインパクトをコロナがもたらした。」と仰っていました。10年分のデジタル化を進めて効率化を果たした会社が、これからの標準になるのでしょう。
 コロナ禍を乗り越えるためだけではなく、コロナ後の競争に勝つためにも、全ての会社がデジタル化に取り組んでいただきたいと思います。とはいえ、具体的にどのようなものがあるのか、どうやって導入するのか、ご存知ない方も多くいらっしゃると思います。弊社のIT支援課でもご支援いたしますので、ぜひ担当者にご相談ください。

 

【長崎オフィス 所長・社員税理士 内田 佳伯】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年9月号 所長巻頭言より】


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