入梅の頃となりました。今年の夏は昨年にも増して猛暑が予想され、マスクを着けての行動は熱中症を引き起こすリスクが高いと言われています。皆様十分ご注意願います。

資金があれば生き残れる

 新型コロナウイルスによる影響が大きくなっています。外国人観光客の減少やヒトの外出自粛のため売上が減少し経営の先行き不安が高まっています。信用調査会社の「長崎県新型コロナウイルスに関するアンケート」では97.7%の企業が「影響がある」と答え、ほとんどすべての業種、企業がマイナスの影響を受けているとのことです。
 感染症の専門家の多くが「長期戦になる」と言っています。長期戦を戦うためには持続力と忍耐力が必要、そして最悪の事態を考えて対応することが大切です。経営が行き詰るのは資金不足が原因です。赤字でも資金が続く限り生き残れます。今の経営者の最優先課題は「資金確保」です。政府系と民間の金融機関が事業継続のために全力を挙げて支援する方針を出しています。地銀の幹部は「コロナ発生まで健全に経営していた取引先は絶対に潰さない」と言っています。今こそ地銀の存在価値が問われるときです。
 経営者が今取り組むべきことは「現預金を積み上げる」こと、「cash is king」を実践することです。目先の資金が必要でなくても出来るだけ借りる、という財務戦略が最適な選択です。借入金額は大きく借入期間は長く、が良いでしょう。資金は月商の3か月分があればベター、月商の6か月分があればベストです。弊社では地銀勤務の経験者が2人在職して皆様の運転資金の相談に対応していますのでぜひご相談ください。
 ワクチンや治療薬の開発も進められていますので今回の新型コロナウイルスもいつかは終息します。企業は生き残れば再度成長する機会を得られます。とにかく今は生き残るように努めましょう。

 新型コロナウイルス感染死者数が世界一多いアメリカで患者治療の第一線で戦い、疲れ果てた女医が自殺した、と全国紙に記載されていました。本人も感染し心的外傷後ストレス障害(PTSD)と重度のうつとなった末の自殺でした。「1日18時間働き、廊下で寝て、救急患者を受け付けられないほど忙しくなっている」と生前、父親に話していたそうです。父親は「彼らは前線の塹壕で戦っている。それを皆が認識してもらえれば、と願っている」とも記していました。自分が感染することは、治療にあたる医療従事者だけでなく大切な家族にも職場の同僚にも感染リスクとなります。ウイルスが広がっているのではなく人がウイルスを広げているのです。「密閉」「密集」「密室」の三密を避け、軽々な行動は慎まなければなりません。

 また、思想家の内田樹氏は「危機管理というのは、『最も明るい見通し』から『最悪の事態』まで何種類かの未来について、それに対応するシナリオを用意しておくことである。どれかのシナリオが『当たる』とそれ以外のシナリオは『外れる』。…例えば、感染症用の医療機器や病床は感染症が流行するとき以外は使い道がない。『病床の稼働率を上げろ。医療資源を無駄なく使え』とうるさく言い立てると(実際にそうしたわけだが)、感染症用の資材も病床も削減される。そして、いざパンデミックになると、ばたばた人が死ぬ。そういう危機管理の基本がわかっていない人が日本では政策決定を行っている」と言っています(長崎新聞5月2日)。
 医療、保育、介護、配送業、ごみ回収、小売店販売員など、社会にとって本当に役立つ仕事が何か、危険な中で私たちの生活を支えてくれるのは誰か、今回のコロナ騒動で私たちはいろいろと考えさせられました。

 感染予防策のために「ソーシャルディスタンシング」が推奨されています。物理的に人との距離は離れても、心のつながりは近く保っていたいものです。税理士法人アップパートナーズはお客様の経営継続を全力で支援してまいります。

 

【代表社員税理士 内田 延佳】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年6月号 代表巻頭言より】


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