事業は長く続ける方が難しい

 暦の上では初秋の候となりましたがまだまだ残暑厳しい毎日です。皆様お元気ですか?

 7月10日に総務省の人口動態調査(2019年1月1日時点)が報告されました。日本人の人口は1億2478万6千人(前年比43万3千人減)、一方外国人の人口は過去最多の266万7千人(前年比16万9千人増)、日本経済新聞は「外国人の働き手としての存在感が高まってきた」と報じていました。日本人の人口が減少しその一部を外国人が穴埋めしている状況です。東京のコンビニの店員はほとんどが外国人、私が上京時に時々利用する新橋の大戸屋でも最近外国人の店員と客が増えています。隣席で外国人の客と店員が外国語でやり取りしているのが普通になりました。私たちの長崎県は136万人(減少率は0.99%)、長崎市は41万8千人(減少率は1.07%)、人口の減少は市場規模の縮小となり業種に関係なく売上と経営に影響してきます。加えて最近は人手不足が事業遂行に悪影響を及ぼしています。まさに経営環境は逆風ですね。しかし、経営者は事業を継続していかなければなりません。

 今後の経営環境の変化の中で明確になっていることは①人口減少②高齢化③人手不足です。時流を読み、対策を考え、事業を継続させるためにはどうしたら良いか?まさに経営者としての真骨頂が問われます。京都の老舗店の中でも選りすぐりの老舗の会「百味会(ひゃくみかい)」(江戸、明治、大正、昭和、平成、を生き抜いてきた老舗)の会長が「店を大きくするより長く続ける方が難しい」と言われましたが、それぞれの時代の経営環境に適応してきた歴史と伝統を感じさせる言葉です。
 事業を継続するうえで参考になる言葉があります。「経営者は金残すは下、事業残すは中、人残すは上」、事業を継続していくためには何より「人」が大切という意味です。後継者だけでなく経営を支える「人(人財)」がいたら事業を継続できますし新たな事業の展開も可能です。京都の老舗店には必ず経営を支える大番頭、小番頭的な人財がいます。

 経営遂行のためには経営理念、経営戦略、マーケティング、人財、等々が必要ですがその結果は財務に集約されます。弊社の核業種は税理士法人、主として財務・税務を扱いますのでお客様の経営状態を把握できます。決算書は経営者の成績表なのです。弊社の業務は、ビジネス取引→会計処理→元帳→貸借対照表・損益計算書・資金繰り表、この一連の流れを確認して決算書と税務申告書を作成し税務署へ提出しています。外部関係者でありながらお客様の経営実態を数字で把握しています。学生は1学期の成績表が良くなくても2学期に挽回するチャンスがありますが経営者は毎期の決算がすべてなのです。金融機関はまだまだ決算書の評価にウエイトをおきますし関係団体へ決算書を提出する場合もあります。弊社が福岡本部を設置する時にはオフィステナントの貸主から決算書3期分の提出を求められ審査されました。財務と税務は一体のものです。国家財政に欠かせない税務は法律で税理士の独占業務とされています。独占業務ゆえに品質保持についても相当厳しく管理されています。毎年改正される税務取扱い等を理解するために年間36時間以上の認定研修受講義務が課されています。財務・税務をとおしてお客様の成長と発展のために今後とも尽力して参ります。

 時節柄ご自愛ください。

(代表社員税理士 内田 延佳)
(『月刊 アップ長崎・島原』2019年9月号 代表巻頭言より)


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