「令和」の時代へ

 風薫る5月、季節の花は桜からツツジに変わり新緑が美しく心が癒されます。そして6月には紫陽花ですね。皆様お元気でしょうか。

 今月から元号が「令和」に変わりました。令和という言葉の出典は日本で最も古い歌集「万葉集」。日本の書物を元にした元号は初めてということで大きな話題になりました。安倍晋三首相は「人々が美しい心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ、という意味が込められている」と説明しました。
 昭和生まれの私は、先の戦争に出征し傷痍軍人となった亡父から戦争時の話を聞きながら育ち、学校を卒業してからは経済成長の渦中に社会人となり、バブルとバブル崩壊を経験しました。
 平成時代は災害と団塊世代の高齢化、格差社会が問題になりリーマンショックで金融業界が再編されました。「令和」の時代はどうなるのでしょうか。お釈迦様は「天上天下唯我独尊」(世の中にある全てのものは皆、唯一の存在であり、全てが尊い存在である)と説かれました。「令和」に込められた願いが実現する世になって欲しいと思います。

 過日の長崎新聞に「働き手 過去最低59%」(2018年10 月時点)の記事が掲載されました。日本国内在住の日本人人口は前年より43万人減の1億2千4百万人となり減少数は過去最大、長崎市とほぼ同じ人口が1年間で減少しています。長崎県の人口減少率は全国で7位、134万人になりました。少子高齢化による人口減少が改めて示されました。この事実を経営者としてどう受け止めるのか、そして今後の経営をどうするのか、悩みの種ですね。
 人口の減少は市場規模の縮小となります。人口が増加している福岡市や東京圏への事業展開も一つの対応策ですが相当の資金力と人材が必要となり、その上競争は長崎よりも厳しいので現実問題として一部の企業に限られるでしょう。
 他方、少子高齢化による人口減少を前提として経営を考えるのも選択肢の一つです。「今後の企業経営は昭和の高度経済成長時代の理論や意識での対策には限界がある」という学者もいます。
 自社の現状(商品力、営業力、人材、財務状況等々)をきちんと認識しての対応が必要です。人口減少の中で高齢者人口は増加しています。長崎県は65歳以上が32%(43万人)、75歳以上が16.6%(22.3万人)、増加するシルバー人口を事業にどう取り組んでいくのか、が今後の経営課題となりそうです。地域密着型企業では「共存共栄」の意識が必要です。
 企業を船に例えるなら、航行時には波風が付き物ですが自分で舟を漕ぎながら社会という他力の風を受けて進んでいくのです。「創業は易く守成は難し」(新しく事業を興すことは比較的易しいが、それを維持発展させるのは困難)と言われます。経営環境の変化に適応しながら経営を継続することは大変な仕事ですが経営者の最大の責務です。弊社も微力ながら、特に税務・財務面でお役に立てるように努力してまいります。

 4月から弊社に新卒社員5名が勤務しています。毎年次のような話をしています。「入社1年間は先行投資、2年目には自分の給与分は自分で稼ぐこと、3年目から会社に貢献できるようになること」、人を育てるのも経営者の大切な仕事です。人は出会いと体験を繰り返しながら成長していきます。「見逃し三振より空振り三振」タイプの社員になり職場に新風を吹き込んで欲しいと思います。 

(代表社員税理士 内田延佳 『月刊 アップ長崎・島原』2019年5月号 代表巻頭言より)


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