公私の別をつけることの難しさと大事さ

 2月に入り、寒さも本格化してきました。この時期、毎年話題になるのはインフルエンザですね。昨年は夏にもインフルエンザが流行したと話題になりましたが、やはりハイシーズンは冬の時期ですので、受験生の大敵ですね。
 会計事務所にとってもインフルエンザは大敵で、所得税確定申告の繁忙期にインフルエンザが社内で流行すると大変なことになります。最近はインフルエンザの特効薬も色々とあり、快復も早くなっているようですが、感染すれば数日間は出社禁止ですので、やはり感染しないに越したことはありません。弊社は医療機関のお客様も多いので、訪問時のマスク着用や帰社時の手洗いを推奨して、少しでも感染リスクを減らすようにしていますが、例年この時期はインフルエンザ感染者が増えないように祈る毎日です。

 昨年11月に、日産のカルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反容疑で逮捕され、その後、特別背任罪で追起訴されました。この逮捕には、日産社内の権力争いとか、日産の主導権を巡っての日仏の綱引きだとか、仏当局による東京五輪招致に関するJOC会長への事情聴取はこの逮捕の報復では等々、色々な話が出ています。これまでの地検特捜部では考えられなかった容疑での逮捕に、不祥事続きで信頼を失って焦る検察の勇み足、という見方もあります。

 ゴーン氏の逮捕の背景に何があったのかはさておき、ゴーン氏の「不正」とされる話の多くは、どこかで聞いたことのあるようなものがいくつもあります。「会社のお金で社宅を購入したが、実際は私用で使っていた」「家族旅行や食事の費用を会社の経費で支出した」「身内や知人に実態のない業務委託の報酬を支払った」「自分の結婚式費用を会社の経費で支払った」・・・中小企業の税務調査でも、よく指摘される内容です。金額の桁や手法のスケールこそ違えども、どんな企業でも同じようなことがあるのだなあ、と思いました。この事件がどのような結末を迎えるかはわかりませんが、経営者が公私の別をつけることの大事さを改めて考えさせられました。

 今年4月30日に今上天皇が退位されて平成が終わり、5月からは新しい元号になります。巷で予想されている新元号に含まれる漢字はダントツで「安」が多いそうです。平成、という元号には「内平かに外成る」、国の内外が平和になる、という願いが込められていましたが、実際には日本も世界も不安定さが目立った時代でした。「安」という漢字を用いた元号の予想が多いのは、安定して心安らかに過ごしたい、という気持ちの表れなのかもしれません。

 新しい元号は4月1日に発表されるそうです。これからの一時代を象徴する元号はどのようなものになるのでしょう。今から楽しみです。

(長崎オフィス所長・社員税理士 内田佳伯(『月刊 アップ長崎・島原』2019年2月号 所長巻頭言より))