ハードからソフト・ハートの時代へ

 早いもので今年も師走を迎えます。皆様にとって今年はどんな1年だったでしょうか?弊社にとって今年は職場環境の改善に取り組んだ年でした。増える社員数にスペースが追い付かず、解決策として増築工事に踏み切り11月末に完成しました。増築面積は83坪、1階はセミナールーム、2階は応接室が3室、3階と4階は執務室とし、トイレも7か所増としました。社員の職場環境改善となったほか、セミナールームの新設によりお客様への業務(情報)提供の機会が増え、場所と時間に余裕を持ってお客様とお話ができるようになりました。

 仕事柄、毎日朝から日本経済新聞と全国紙、地元紙を読んでいます。世の中の変化を把握し仕事に役立つ情報を収集するためです。相変わらず多かった記事は人口減、人手不足、ロボット、AI(人工知能)、に関するものでした。

 私たちに身近な問題は人口減ですね。長崎市の人口は現在約42万人ですが2045年には約31万人に減ります。転出超過数は全国市町村でワースト3位です。人口減→市場規模縮小→事業所数減→雇用者数減→若者の市外への流出増→人口減、この悪循環に陥りつつあります。交流人口の増加でカバーしようとする動きがありますが全国各市町村で同じような動きがある中、ハコモノを作るだけでは根本的な解決策にならないように思います。日本全体の人口が減少するのが現実であれば事業経営も行政も現実を直視しその流れに乗りながら運営していく必要があるのではないでしょうか。地域密着企業は量(売上)より質(利益)重視の経営が今後の課題です。行政は若者の転出に悩むならその対策に予算を使う(若者を採用する企業には優先的に仕事を発注する等)、子育てがしやすい街、住みやすい街づくり等々、ハードよりソフト・ハートの街をつくることが大切だと思います。

 人口減→働き手減の根本的な解決策は生産性の向上です。そのためにロボット・AIを活用するのです。AIの能力が急速に上がるなか「ヒトとAI」の分業の仕組みを作れるかどうかが成長のカギになります。AI を活用した顧客の情報分析により、集客がアップして成長している企業もあります。

 まもなく、ほとんどの単純作業はロボット(AI)が代行する時代が来ます。ヒトに求められるのは新しいアイディアや技術を生むことです。組織も社員も創造的な仕事が出来るように変わらざるを得ない時代になります。弊社もAIの積極的活用と社員の創造性を高めるために試行錯誤しています。

 日本には四季があり、それぞれの季節を楽しめる世界でもまれな国です。私も11月は紅葉狩を楽しみました。そんなとき、日本経済新聞のプロムナード(文化人類学者:広瀬幸二郎氏)欄に次のような記載を見つけました。

 「良寛の辞世の句『うらを見せおもてを見せて散るもみじ』、人間の長所と短所、善悪、生死などはつながっており、すべての煩悩を出し尽くした後に涅槃へ至る。世の中には見ているようで見えていないもの、見落とし、見忘れがたくさんある。見た目に騙されてはいけない。だからこそ紅葉のように裏も表も見せた人間が、涅槃の安楽を得るのだといえる」

 凡人が良寛の境地に至るのは難しいですが自分らしく生きることを心がけたいと思います。
 今年も皆様には大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。

(代表社員税理士 内田延佳(『月刊 アップ長崎・島原』2018年12月号 代表巻頭言より))