今年は新型コロナウイルスに振り回され、私どももリモート報告や在宅勤務の推奨等、業務の見直しを余儀なくされた1年でした。できない、今すぐには必要がないと先延ばししていた問題にも、否応なく向き合わざるを得ない状況になりました。「強い者が生き残るのではなく、環境(社会情勢)に順応した者が生き残る」という言葉を思い出しました。
 そのような中でも、年が明ければ間もなく確定申告の時期がやってきます。一時中止(延期)されていた税務調査も10月には再開されました。申告期限が延長された今年の確定申告も、来年は期限どおりとなると思われます。
 今回は新型コロナウイルス等の影響に対応するための措置と、令和2年分申告から改正運用される主な事項についてお伝えします。過去にご紹介した内容と重複する事項もありますがご容赦ください。

1. 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律における主な措置

定額給付金、子育て世帯臨時特別給付金の非課税

個人が令和2年1月1日から令和3年12月31日までの期間において、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止措置の影響により中止若しくは延期又は規模縮小を行った文化芸術又はスポーツに関する行事で、一定の入場料払戻請求権の全部又は一部を放棄した場合はその合計金額(上限20万円)を寄付金控除等の適用ができる。

消費税率10%の住宅取得等で、令和2年12月31日までに居住の用に供することができなかった場合、一定の要件を満たす場合は所得税額の特別控除の控除期間の特例(控除期間13年)の適用ができる。

2. 税制改正により令和2年分以後の所得税から適用されるもの

給与所得控除の一律10万円引下げ
上限適用される給与等の収入金額850万円(改正前1,000万円)、給与所得控除上限額195万円(改正前220万円)

公的年金等控除の10万円引下げと上限(195.5万円)の設定
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額1,000万円超~2,000万は20万円引下げ(上限185.5万円)、同2,000万円超は30万円引下げ(上限175.5万円)

基礎控除の一律10万円引上げ(48万円、改正前38万円)
但し、合計所得金額2,400万円超~ 2,450万円は控除額32万円、2,450万円超~ 2,500万円は控除額16万円、2,500万円超は控除額0円

扶養親族等の範囲の対象の合計所得金額、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額の10万円引上げ

青色申告特別控除
正規の簿記の原則に従って記録している者に係る控除を55万円(改正前65万円)に引下げ
但し、前述の者で一定の要件を満たした電子帳簿の保存又は電子申告を行う者は65万円

所得金額調整控除の創設
給与等の収入金額が850万円を超える者で、特別障害者、又は23歳未満の扶養親族若しくは特別障害者である同一生計の配偶者・扶養親族を有する場合は、給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円)から850万円を控除した金額の10%を控除

ひとり親控除の創設、寡婦控除の見直しと特例の廃止

 売上の減少、従業員の削減、交付金の受領等、例年にはない事由がある事業者の方も多くいらっしゃるでしょう。これから私ども会計事務所は繁忙期を迎えます。正確かつ早期に納税額をお伝えするためにも、早めに準備に取り掛かっていただき、1月中には必要な書類をご準備いただきますようお願い致します。

 

【島原オフィス 所長 兼 長崎オフィス 税務相談室 室長 内田尚生】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年12月号】


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