皆様、こんにちは!
 今年は兎にも角にも新型コロナウイルスの影響が凄まじく、所得税の確定申告が始まる2月中旬からは税務調査も中止(延期?)となっています。万一調査官が罹患して、納税者が税務調査で感染したとなれば猛烈な非難は想像に難くありません。今後の税務行政への影響を考えれば当然の対応と言えるでしょう。
 但し、調査が中止延期された納税者は一旦税務調査の対象として選定されているのですから、状況が落ち着き調査が再開された際は、優先的に調査となる可能性が高いです。通常にも増して、より適切な会計税務処理に留意いただきたいと思います。

 昨年7月から今年6月までの長崎・島原オフィスにおける税務調査の状況は表のとおりです。内7件は新型コロナウイルスの影響により調査が実施されていないため、実件数は11件となります。内、是正なし(申告是認)は3件(27%、福岡・佐賀・長崎県の平均とほぼ同値)でした。約7割は何らかの指摘を受けて是正ということになりますが、その内容は役員個人の個人的支出の否認等、割と細かい指摘が多く、多額の不正や会計処理・税務判断の誤りによる指摘は殆どありませんでした。税務調査の選定は勿論個別の決算申告内容や情報が最優先ですが、地域や好況業種を念頭に置いた選定もなされます。医療・介護福祉のお客様が多い弊社特有の傾向としては、今回特定の業種をターゲットとしたような動きは感じられません。

○税務調査状況(令和元年7月~令和2年6月)

注1 大口、大規模で通常とは別に管理された事案を所掌する部署
 2 申告もれ、不正が見込まれる可能性の高い事案を所掌する担当者

 

税務調査で指摘、指導を受けた主な内容は以下のとおりです。

・交際費、交通費、消耗品費等に個人的な支出の混入
・過度の交際費、福利厚生費(源泉所得税対象)
・建設業における期間損益(売上計上のタイミング、仕掛工事の算定)
・外注費の実態(指揮命令系統、危険負担、時間拘束等から給与として判断)
・不動産取得時における関連費用の消費税処理
・源泉所得税(扶養控除申告書、税率、社宅、商品券、通勤手当、宿直手当等)
・各種契約書への印紙貼付

 税務調査には入られないことが最良ですが、調査があっても対応に困らないよう、過去の調査で得たノウハウを蓄積分析して、お客様に情報提供します。多少面倒に感じるところもあるかもしれませんが、調査で指摘を受けて後悔されないよう、担当者の助言等に耳を傾けていただければと思います。

 

【島原オフィス 所長 兼 長崎オフィス 税務相談室 室長 内田尚生】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年8月号】


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