今月は税制改正大綱より「所有者不明土地等に係る固定資産税課税への対応」に関してお伝え致します。

 近年、所有者不明となった土地が全国的に増加(平成28年に国土交通省が実施した調査では、実に12万以上の土地が登記簿で所有者を特定できなかった)しており、公共事業推進、生活環境面等々、様々な課題が生じています。また、固定資産税の納税義務者は「登記上の所有者」ですが、この「登記上の所有者」が死亡した際に、相続登記がされなければ、登記上で次の所有者が誰なのかを特定することができません。市町村では次の所有者を特定するために多くの時間と労力をかけて調査を行っており、課税事務に支障が生じていました。こうした所有者不明の土地等を減らして固定資産税を適正に課税する為、今回の改正で市町村の権限を強化しました。

●改正内容
◎現に所有している者(相続人等)の申告制度化
 市町村は、登記簿上の所有者が死亡し相続登記がされるまでの間において、現に所有している者(相続人等)に対し、条例で定めるところにより、氏名・住所等必要な事項を申告させることができる事とする。

(今までも市町村は「現に所有している者」に対して、固定資産税の徴収に必要な事項を申告するように促すことはできましたが、条例に規定された正式な手続きではないが故に実効性は乏しいものでした。今回は条例に規定され、正式な制度として運用されます。併せて罰則規定も設けられる予定です。)

【適用時期】
令和2年4月1日以後の条例施行の日以後に現に所有している者であることを知った者について適用

◎使用者を所有者とみなす制度の拡大
 市町村は、一定の調査(※)を尽くしてもなお土地等の所有者が一人も明らかとならない場合、事前に使用者に対して通知した上で、使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課すことができる事とする。

(「使用者」と認定される具体的な範囲や、適用があった場合に過年度分の納税義務の有無などは、今後明らかになっていくようです。)

※一定の調査とは、住民基本台帳、戸籍等の公簿上の調査並びに使用者と思われる者やその他関係者への質問等

【適用時期】
令和3年以後の固定資産税について適用

 

【長崎オフィス 業務4課 課長 貞松 威穂】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年4月号】

 


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