先月に引き続き税制改正大綱の内容について、今月は法人課税編をお伝えします。

1.オープンイノベーションに係る措置
 事業会社から一定のベンチャー企業に対する出資について、その25%相当額の所得控除ができる措置が創設されました。
 その際、一定期間(5年)内に、出資した株式を売却した場合には、対応する部分の金額を益金に算入する仕組みとなりました。

(出典:経済産業省資料)

2.5G導入促進税制
 超高速・大容量通信を実現する全国5G 基地局の前倒し整備及びローカル5Gの整備に係る一定の投資について、税額控除又は特別償却ができる措置が創設されました。
 工場や建設現場・農業でのIT 活用などにおいて、送受信設備や通信モジュールの設置などが想定されているようです。

3.連結納税制度の見直し
 連結納税制度について、企業グループ全体を一つの納税単位とする現行制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組みとなりました(グループ通算制度への移行)。

4.地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の見直し
 手続きの抜本的な簡素化・迅速化を図るほか、税額控除割合が現行の3割から6割引き上げられた上で、5年延長されました。

(参考)地方創生応援税制の概要
・企業が自治体へ寄付をすることにより税負担が軽減される制度です。
・個人と違い寄付先から経済的利益を受取ることは禁止されています。
・寄付金の下限は10万円となっています。

5.交際費等の損金不算入制度の延長等
 制度の適用期限が2年延長され、令和4年3月31日までとなりました。
 接待飲食費の50%の損金算入の特例及び中小法人の定額控除限度額(年800万円)までの損金算入の特例の適用期限も2年延長(令和4年3月31日まで)されました。
 接待飲食費の損金算入の特例の対象法人から、資本金の額等が100億円を超える法人が除外されました。

6.少額減償却資産の取得価格の損金算入の特例の延長等
 中小企業者等が少額減価償却資産(取得価格30 万円未満の減価償却資産)を取得した場合に、一事業年度1年当り300万円まで取得価格の全額を損金算入することができる特例の適用期限が2年延長(令和4年3月31日まで)されました。
 ただし、対象法人から連結法人は除外されます。
 対象法人の要件のうち常時使用する従業員の数の要件を1,000人以下から500人以下へ引き下げられました。

 ※青文字は減税対象、赤文字は増税対象

 今年度の法人課税に対する税制改正は皆様が直接増税となるものは少なく、期間延長など減税に繋がる改正が多かったようです。
 自社に当てはまる事項がないか、弊社担当者とご確認をお願い致します。

 

【長崎オフィス 税務相談室 主査 福田 敏夫】
【『月刊 アップ長崎・島原』2020年3月号】


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