皆様、こんにちは!
 暑い日が続きますが、今年もおくんちの季節がやってまいりました。弊社のお客様にも踊町や実行委員等に携わる方がいらっしゃいます。仕事が手につかない⁉という方も多いのではないでしょうか。
 この時期になりますと、おくんちに関する支出を目にすることがあります。その税務会計の処理は悩ましく、個別判断によるところになりますが、殆どは交際費・寄付金・給与(個人負担)のいずれかに該当することになるでしょう。そこで、今回はこの3 パターンの基本的な考え方についてご説明します。

【交際費】
 取引先など事業の関係者に対しての接待、供応、慰安、贈答等を行うための支出です。
 既存客との取引を円滑に行ったり、新たに取引が見込まれる相手方が対象です。資本金1 億円以下の法人は年800万円、個人事業者は上限なし(事業規模、支出内容等で判断)で損金算入ができます。)

【寄付金】
 金銭・物品・経済的な利益の贈与、無償供与となる支出です。交際費との相違は、事業との関連性がない、または希薄な相手方に対して、見返りを期待しないという点です。社会事業団体、政治団体、神社の祭礼、災害見舞金等の支出は原則これに該当します。但し、税務上の損金算入は寄付の種類によって一定の制限が設けられています。

【給与(個人負担)】
 交際費、寄付金のいずれにも該当しない、代表者や事業主が個人負担すべき支出です。過度な接待、個人の趣味嗜好が優先しているもの、子息が入学している大学への寄付金等がこれに当たる可能性があります。
 税務調査で指摘を受けた場合、その支出は損金不可、法人は代表者等への源泉課税とダブルパンチという結果を招きます。

 では、例えばおくんちのお花代はどう取り扱うのでしょう。先述の考え方によれば、原則は寄付金として取り扱うことになります。但し、取引先など事業の関係者が含まれており、当該支出が取引の継続、または販路拡大を期待して支出する場合は交際費としての処理も考えられます。その場合は具体的・客観的にどの程度取引に影響するかの説明が必要であり、これを明らかにできると主張の補完になるでしょう。なお、庭先回りの場所が店舗・事業所ではなく居宅前ですと、当該支出は原則給与扱いになるものと思われます。
 実行委員会等における打合せ、飲食代等の支出は、事業との関連性、程度(取引と当該支出のバランス)を勘案し、交際費または給与(個人負担)のいずれかとして処理されると考えます。こうした判断は明確な区分がなく、税務調査でもしばしば争点となることがあります。担当者と打ち合わせして、適切に処理していただきたいと思います。

 

(島原オフィス 所長 兼 長崎オフィス 税務相談室 室長 内田尚生)
(『月刊 アップ長崎・島原』2019年9月号)


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