皆様、こんにちは!
 税務職員が異動になるこの時期は、新体制による調査シーズンのスタートです。対策として、過年度の税務調査を分析し、弊社(長崎・島原オフィス)が対応した税務調査の概要をお伝えしています。税務調査の対象となる選定理由や流れは以前にもお伝えしましたが、地域の特殊性や時期的な好況業種等が反映されます。過去の実態を顧みることで、税務当局の方向性が見えてきます。

○税務調査状況(平成30年7月~令和元年6月)                    (単位:件)

(注)大口、大規模で通常とは別に管理された事案を所掌する部署

 年間の調査件数は毎年10~20件で推移しており、この1年間はほぼ平均並みといったところです。昨年以前は医療業の調査が3~4割を占めていましたが、今回の特徴は建設業が4 割を占めています。また、病院や法人税申告の必要のない社会福祉法人等、多数の従業員を抱える組織は源泉所得税に特化した調査が3件ありました。なお、15件の内、6件が是正なし(申告是認)の結果となっており、是認割合40%は福岡・佐賀・長崎県の同平均26%(福岡国税局発表、29年7月~30年6月)を13ポイント上回っています。

 税務調査で指摘、指導、確認された主な内容は以下のとおりです。

(建設業)
・工事完成基準を採用、完成のタイミング(売上計上の時期)、仕掛工事金額の算定根拠
・取得から相当期間経過した機械等の現物確認、売却収入の有無
・外注費と給料賃金の区分判断(源泉課税の要否、消費税控除に影響)
・小口、単発取引の有無

(医療業)
・ 自費や窓口、再請求等未収金の処理の正確性(日計表、レセコン、周辺資料との突合)
・ 雑収入、金属等副産物の売却収入の有無
・ 交際費、厚生費、車両関連費用の事業関連性(個人負担すべき支出との区分の確認)

(源泉税)
・ 永年勤続者表彰や忘年会等における旅行券、商品券等換金性の高い現物の支給の取扱い
・ 個人への日当や講師料支払の源泉課税
・ 扶養控除申告書の作成もれ、甲欄乙欄適用の適否

 税務調査は入られないことが最良ですが、もし調査が入っても指摘されることの無いように、過去の調査で確認された事項についてはノウハウとして蓄積・分析し、お客様に提供していきます。処理に迷う会計税務処理においては、担当者からのアドバイスを参考にしてください。

(島原オフィス 所長 兼 長崎オフィス 税務相談室 室長 内田尚生)
(『月刊 アップ長崎・島原』2019年7月号)


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