平成29年10月1日より施行されている認定医療法人制度を活用するに当たり、実務上のポイントを取りまとめてみましたので、この制度にご関心がある方は参考にされて下さい。
 この制度の特徴は、出資持分の放棄時に医療法人を個人とみなし、贈与税が課せられる事に対し医療法に従って幾つかの要件を設け、その要件をクリアする事により課税をされず、且つ平成18年医療法改正への対応や事業承継が円滑に行える状態にすることにあります。
 申請の期間は、平成29年10月1日~平成32年9月30日という期限付きの制度である事を十分に理解し、申請をする必要があります。この制度の審査は、厚生労働省医政局医療経営支援課(東京)1カ所で行いますので通常事前協議を含め、申請完了まで最低6カ月はかかると考えていた方がよいと思います。弊社の経験においても6カ月弱かかりました。
 厚生労働省の非課税8要件は、以下の通りです。

①法人関係者に対し、特別な利益を与えないこと
②役員に対する報酬等が不当に高額にならないように支給基準を定めていること
③株式会社等に対し、特別な利益を与えないこと
④遊休財産額は事業にかかる費用の額を超えないこと
⑤法令に違反する事実、帳簿書類の隠蔽等の事実その他公益に反する事実がないこと
⑥社会保険診療等に係る収入金額が、社会保険診療報酬と同一の基準によること
⑦自費患者に対し請求する金額が、社会保険診療報酬と同一の基準であること
⑧医業収入が医業費用の150%以内であること

 一つ一つの要件をクリアーするためには、一般的に作成されていない診療報酬規程や役員報酬規程など、多くの規程の整備が必要となります。
 また、一度認可されても出資持分放棄後6年間は認可時の状態を維持しなければならず、法人内部での管理体制の継続も重要なポイントになります。認可後6年間の間に認可時の条件を満たさなければ、“即”みなし贈与税課税の対象法人へ移行される事を留意しておく必要があります。
 最後に、この制度の活用をお考えの法人は、下記のスケジュール(厚生労働省HP抜粋)のように厚生労働省の認可後、二度の定款変更を行わなければ手続きの完了とはなりませんので、十分なスケジュール管理をお願い致します。また、疑問点などありましたら、弊社堤までお気軽にお問い合わせ下さい。

(経営支援部 部長 医業経営コンサルタント 堤 健治『月刊 アップ長崎・島原』2018年9月号)