登場人物   A:会社社長  B:顧問税理士

A:在庫(棚卸)は少ない方がいいんですよね?

B:何に重きを置くかによって、考え方は異なってきます。

A:といいますと?

B:まず、資金繰り面からみると、当然少ない方がいいです。

A:そうか。在庫はお金が商品に姿を変えているだけでしたね。忘れがちですが。

B:それに、支払サイトについても、早く商品を仕入れる(=在庫が多くなる)とその分早く支払時期が到来します。又、実際に数える時も、数量が少ない方がスムーズに棚卸作業が進むといったメリットもありますね。

A:税額が少なくなるといったことはありませんか?

B:もし仕入金額が同じであれば、ご指摘の通り(利益が少なくなって)税額は少なくなります。

A:だから、特に決算の時には、不良品などを処理して、在庫を減らすように勧められるのですね。でも、そうではないケースもあるのですか?

B:最も理解が難しい点の一つなのですが…もし、在庫を減らすために、その分仕入金額も減らすのであれば、(利益は変わらず)一切税額が少なくなることはありません。

A:何かピンときませんね。もう少しわかり易くお願いできますか。

B:まず経費になる(→利益、税額が少なくなる)のは、売れた商品に対応する仕入だということは、ご理解いただいていますよね。これは、①仕入金額から、②売れ残っている商品(在庫)の金額を差し引いて計算します(①-②)。したがって、②在庫の金額を
減らすために、その分①仕入金額を減らしても、①-②の金額は変動ありませんので、結果として、税額が少なくなることはないのです。
むしろ、必要な商品が手元になくて、営業に支障をきたす可能性もありますので、過度に在庫を減らすことは避けた方がいいかもしれませんね。

A:つまり、在庫を減らすことにとらわれ過ぎず、無駄を省き、かつ、適正な在庫を持つことが最善の策ということですね。