謹賀新年
旧年は大変お世話になりました。本年も宜しくお願い申し上げます。

『戌』は守りの年 - 既存客を尊び、堅実を旨とすべし

今年は「戌年」、戌年の傾向は「商売繁盛・収穫」の干支であった昨年の「酉年」の後になりますので収穫後の「守りの年」になります。ビジネスで言えば、アフターフォロー、リスクヘッジをすることで既存のお客様を守る、またそれが信頼とビジネスにつながっていく、そのような年です。
中小企業でも老舗と言われる百年企業のビジネスの根底には「今のお客様を大切にする」理念があります。堅実
経営が基本なのです。京都の老舗料亭の精神「一見(いちげん)さんお断り」は「今のお客様が最優先」です。
人口減少で市場が縮小していく今からのビジネスの流れは量的拡大志向から質的向上志向への意識変革が必
要です。目先の利益に囚われることなく、自社の強みを問い直し、その上で時代に対応する企業文化を作り上げることが必要であると思います。

評論家の田原総一朗氏は「日本の中小企業の社長はサラリーマンじゃない人が多い。大企業のサラリーマン社長には決定権がないが、中小企業の社長は自分で決めることが出来る。チャンスだ。『これから何で勝負するか!』を
決めたほうが良い」と語られています。
また船井総研の情報誌に目を向けてみると、「経営に関わる決断を行うとき、社長には『時代を読む』力が必要です。
時代を読むとは『今、何が起こっているのか? 自社の置かれた状況は?』という状況把握と『今後どうなるのか?
何が起きようとしているのか?』という将来予測に基づいて、未来の構想を描くことです」とのことでした。
業種を問わず経営者の仕事の中でも「時代をどう読むか」は特に大切な仕事の一つです。時代を読めない経営者は川の流れに逆らって泳いでいるようなものです。
時代を読むときに重要なのは、過去の社会・歴史から学ぶことです。人類は600 万年の歴史を持ち豊富な経験や
英知を蓄積してきました。歴史は繰り返され、景気は寄せては返す波の如く好況不況を繰り返します。その荒波を乗り越えてきた百年企業は、不況時にも耐えてきた知恵と英知を「組織の遺伝子」として体得しています。

トランプ大統領の登場やイギリスのEU離脱で世界は大嵐ですが、その中にあっても日本は政治も経済も比較的安定しています。しかし日本も多額の政府債務(1 千兆円超)を抱えGDP(日本の国内総生産:約550 兆円)と比べた国債発行規模の大きさは際立っています。また出生率の低下により世界で最も高齢化が進み、若年労働人口に対する高齢者人口の比率が最も高いことから労働者不足が経済の足を引っ張るリスクがあります。業種に関係なく人材確保は経営の大きな課題です。
海外では中国の動きに注目が必要です。多くの民族と14億人の人口を抱えた中国には強権的な政権でなければ
統一ができない国内事情があります。国際関係のバランスを取りながら対応していくためには、日米韓の結束が問われるところです。

アップパ―トナーズグループを設立して今年で10年になります。グループ全体のお客様数は3千7百件超、社員数は250 名超となり、スケールメリットと高い専門性を活かしお客様の様々なご要望にお応えできる体制になりました。人生と同じで事業経営にも様々なことがあります。紆余曲折を経ながらも皆様のおかげで10 年目の節目を迎えることが出来ました。心より感謝申し上げます。

(代表社員税理士 内田延佳『月刊 アップ長崎』2018年新年特大号 代表年頭ご挨拶より)