早いもので2017年も今月で終わりですね。皆様にとって2017年はどのような一年となりましたでしょうか。

10年後の未来の為に今できること ~変革と伝統~

一年の締めくくりに嬉しいニュース、というには少々早いですが、長崎のプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」が11月11日、J1リーグへの昇格を決めました。一時のブームからすると落ち着いてはきたものの、プロスポーツとして定着しているJリーグで長崎のチームが活躍するとは、10年前には多くの方が思ってもみなかったでしょう(10年前のV・ファーレン長崎はJ2リーグの下のJFL、さらにその下の九州リーグに所属していました)。今年のJ2リーグの試合でも、かつてのJリーグブームのときに活躍していた有名チームが降格し、かつては存在すらしていなかったV・ファーレン長崎と同じ舞台で真剣勝負をする姿が見られました。プロ野球に比べて参入障壁が低く、門戸を広く開いているJリーグとはいえ、10年間での所属チームの変わりようは驚くほどです。

この10年間で変わったものは、他にも多くあります。身近なところではスマートフォンやSNS(社会的ネットワークサービス)の普及でしょうか…。
最近、アップル社がiPhone発売10周年を記念して「iPhoneX(テン)」を発売したことがニュースになっていましたが、今では当たり前となっているスマートフォンが普及し始めたのが10年前です。これによって、例えば紙の電話帳や地図、新聞などの印刷物の需要は大きく減りましたし、デジタル機器でもデジタルカメラやカーナビゲーションなどはスマートフォンに代替されつつあります。
また、FacebookやtwitterなどのSNSもサービス開始から約10年で、これらのサービスが世の中に与えた影響も大きいと言えるでしょう。ビジネス面での影響はもちろん、まさかアメリカの大統領がtwitterでつぶやく一言に世界が右往左往することになるとは、ほとんどの方が思いもしていなかったでしょう。
これから10年後も、世の中は大きく変わっていることと思います。技術革新の主役がハードウェアからソフトウェアへ替わった今、変化のスピードはますます加速し、これからの10年間は過去10年間以上に激しく変化する可能性があります。コンピュータが囲碁で人間に勝つまで10年は掛かるだろう、と言われた3年後の昨年、「アルファ碁」が人間を上回り、今では人間が思いもつかないような新たな定石を自力で次々と発見しているそうです。ハードウェア面でも、既存のコンピュータの一億倍の性能を持つという量子コンピュータが実用化されつつあるそうですが、ここまでくると、これがどのような変化をもたらすのか想像も及びません。

とはいえ、10年後の世界は大きく変わるとしても、1年後であればまだ対応可能です。10年も進歩がなければ時代に取り残されるのでしょうが、1年1年着実に何かを積み重ねていけば、10年後も時代の荒波に乗り続けていけるのではないかと思います。
「適者生存…生き残るのは最も強い者ではなく、変化できる者だけである」という言葉があります。先日、「陸王」というテレビドラマを見ました。老舗の地下足袋メーカーが、生き残りのために代々伝わる足袋製造の技術を活かしてマラソンランナーの友なるランニングシューズ「陸王」を創るという物語です。こうして時代の変化に四苦八苦しながらも、未来における無限の可能性を思い爛々と目を輝かせ変わる努力を積み重ねることが、変化の激しい時代に生き残るには大事なことだと思います。

その一方で、日本人は昔から変わらず、大晦日に除夜の鐘を鳴らし、新年を祝い初詣に出掛けています。環境が変わっても、人間の根本的なところはあまり変わらないのでしょう。変わるべきところは変わっても、変わらないところもまた大事にすべきなのだと思います。
12月は一年が終わる節目の時期です。この一年間、環境と自社がどう変わり、来年はどう変わるかを、そして何を変えずにいるべきかを考える、よい機会だと思います。
皆様、よいお年をお迎えください。

(長崎オフィス所長 内田佳伯 『月刊 アップ長崎』2017年12月号 所長巻頭言より)