以前新入社員向けの接遇研修に参加した時の話しです。社会人としての仕事中のマナーという内容で、挨拶や返事はきちんとする、感謝の言葉は伝える等の項目が挙がっていました。私が印象に残った言葉は、「持ち場を離れるときは周囲の人に声をかけましょう」ということです。何故、印象に残ったかというと、大学時代の実習時にとても苦い経験をしているからです。今回はこの苦い経験から私が学んだことをお伝えいたします。

思いやりの接遇⑩「仕事中のマナー 持ち場を離れるときは周囲の人に声をかけていますか?」

介護福祉士養成大学に通っていた、大学2 年生の夏休みに、3 週間程介護保健老人施設で実習を行いました。
ある日、入浴介助の実習があり、浴室内で利用者Kさんの介助を担当することとなりました。夏の暑い時期で、浴室はサウナのような暑さの中での入浴介助でした。頭や体を洗う介助をした後、浴槽にK さんが浸かったのを確認した後、私は少し調子が悪かったので、そのまま浴室から脱衣所へ移動しました。すると、職員から「Kさんが浴槽で安全に入浴できているか、ずっと見守りをしていないといけないよ」と注意を受けてしまいました。入浴介助に入る前から、少し調子が悪かったのですが、浴槽まで利用者を案内した後は、浴室内に他の職員はいるので、自分はその場を離れても大丈夫という判断を勝手にしていたのです。その注意を受け、その後は、浴室に戻りKさんが浴槽から上がって、脱衣所までを誘導して、入浴介助を終了いたしました。

この失敗は今思えば、間違ったことをしたと思えるのですが、実習当時は自分の体の調子しか考えきれていませんでした。調子が悪いことを実習担当者に言えば他の方法もあったはずですが、言う事もできず自己判断をしてしまったということです。

医療・介護・福祉の対象者は人です。特に高齢者や障害者、子どもが相手となり、目を離した間に事故が起きたケースもあります。実習中の経験で、持ち場を離れてはいけない、万が一持ち場を離れるときには周囲に声をかけていかなければならないと、再認識しました。

持ち場を離れるとき、周囲の人に声をかけるのは当たり前でしょうと思われるかもしれませんが、私のような失敗がないよう今回ご紹介いたしました。今後の参考になれば幸いです。