早いもので2016年も間もなく終わろうとしています。皆さまにおかれましては、今年はどのような一年となりましたでしょうか。

世の中、何が起こるかわからない、ということを思い知る一年でした。アメリカの大統領選挙においては、大方の予想を裏切ってドナルド・トランプ氏が勝利しました。6月のイギリスEU離脱といい、世界情勢においても予想外の出来事が続いています。

 また、身近な地域に目を向けてみますと、九州に住む私たちにとって今年は何といっても熊本地震の年として記憶されることになると思います。震災の発生から8カ月が経ち、熊本市内中心部では以前と変わらぬ様子を取り戻しつつあるようですが、被害の大きかった益城町や南阿蘇地方では未だ復興道半ばのようです。

私も9月に熊本を訪れましたが、市の中心部でも被害の跡は見受けられましたし、立ち寄った益城町には震災直後を彷彿とさせる状況があり衝撃を受けました。アップパートナーズグループと致しましても同じ九州に根ざす企業として寄付等のご支援をさせていただきましたが、今後も引き続きまして熊本・大分の被災地支援を行って参りたいと考えております。

想定外のリスク、対応支援いたします

  弊社の業務に関して今年を振り返ってみると、もともと増加傾向にあった相続税申告および相続対策そして事業承継の案件が急増したという印象があります。恐らく今後も引き続き多くのご相談を頂くものとみております。

 相続税申告に関しては、昨年の相続税法改正により課税対象となる方が増えたため相続税の申告そのものが増えたことが原因かと思います。これまで相続税申告が必要となる方は、会社役員の方や、いわゆる資産家の方が多かったのですが、今年は一般の会社員をされていた方の相続税申告も少なくありませんでした。

それと同時に、相続税法改正の話題が多くのメディアで取り上げられたことにより、ご自身の相続に不安を覚えた方々からのご相談も増えました。スムーズな相続対策は早めの準備に尽きますので、事前に相談される方が増えたことは、非常に良い傾向だと思います。

我々の考える相続対策は、税金対策だけでなく、遺言書の準備など「争族対策」も含みます。争族トラブルは遺産の多寡とはさほど関係ありません(意外にも、最もトラブルが多いのは、なんと遺産額が5千万円未満のケースだそうです)。トラブルを未然に防ぐためにも、事前の対策が望ましいでしょう。

事業承継のご相談に関しては、団塊世代の経営者様が70歳を迎えようとするタイミングで引退を考えられるケースが多いと思います。社内に後継者候補がいらっしゃる場合、社長の座は社長就任のご挨拶を関係先にお送りすれば引き継げますが、オーナーの座(株式)の引き継ぎはそう簡単にはいきません。まして、後継者がいらっしゃらない場合は、会社を引き継いでくれる人や法人を探すことから始まりますので、一般的により多くの時間と精神力を費やすことになります。

相続対策や事業承継対策は、事前の準備がどれだけできていたかに結果が大きく左右されます。それにもかかわらず、「その時」が来るまで何も対策をされていないというケースが決して少なくはありません。まずは、現状でどのようなリスクが考えられるかを確認されてはいかがでしょうか。

 

本年は、想定していないリスクが人にも企業にも起こりうるのだ、ということを痛感させられました。我々アップパートナーズグループは、クライアントの皆様の現状を分析し、そこから考えられるリスクへの備えを提案し、不測の事態にも耐えられるしなやかで強い会社を作るお手伝いをして参りたいと考えております。2017年も引き続きまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(所長税理士・内田佳伯 『月刊 アップ長崎』2016年12月号巻頭言より)