桜からツツジの季節になりました。皆様お元気でしょうか。

 4月14日の前震に続き16日未明の本震、そのどちらも震源地は熊本地方で震度は最高7の大地震を記録しており、長崎県内全域でも近年類のない強震がみられました。その後も1,200回を超える余震(震度1以上)が続発し、「死者(関連死含む)・行方不明者数67名、避難者数12,836人、住家損壊68,227棟(5月9日現在、熊本県災害対策本部発表)」にものぼる大惨事となっております。

震災の影響で大きな懸念の一つは、観光客の減少です。九州観光周遊ルートとして福岡・長崎・熊本・大分がセットとして定着しているだけに、ここ数年好調だった長崎県の観光産業にも打撃となることは避けられないようです。

ともあれ、まずは被災された皆様のご無事が最優先です。余震が終息し「元の暮らしを取り戻したい」、復興の願いが一刻も早く叶うよう祈るばかりです。

 

 「パナマ文書」で世界が困惑しています。中米の小国・パナマの法律事務所から流出したこの文書の過去40年分のデータから、「租税回避地(タックスヘイブン)」による世界の富裕層における税金対策の実態が浮き彫りにされたのです。

そこには、主に政府高官の名前や名義借用者名などが多数羅列されています。なんと、ある民主主義国の為政者が自国民からの厳しい批判にさらされているケースもあります。

それもそのはずです。資本主義は制度上経済的な格差が生じますが、法令に基づく公平な税制を通じて格差を適度に縮小し、安定した国を築くのが民主主義です。その国家を預かる者らが他国の租税回避制度を利用している状況は、決して望ましくありません。

1%の富裕層が世界中の50%もの富を所有している格差社会の現実は、富裕層だけが利用できる国際レベルの租税回避の結果、ともいえます。この文書には、日本の会社や個人名もあるといわれています。全容解明が望まれます。

 

 今年11月8日に行われる米国大統領選挙は、日本の最友好国であり安全保障の要である国での一大イベントであるだけに、国内でも関心事となっています。

マスコミではクリントン氏とトランプ氏の一騎打ちとなりそうですが、行方は最後まで目を離せません。両者とも「①ドル安②TPP反対」を公言しており、いずれが勝利しても日本への影響は多大なものとなるでしょう。

①ドル安政策を採られると円高になり、輸出依存度が高い企業には「逆風→業績悪化→株安」のリスクが生じます。また円高になると輸入価格が下がるためデフレ基調になりやすく、生活面では割安感が出るものの、企業は収益面で厳しくなります。「株価リンク」内閣の安倍政権にとっては逆風です。

いっぽう、②TPP参加は安倍政権が積極的に推進してきた政策ですが、米国が批准し積極的に関与しなければ協定として実質的には機能せず、その趣旨は根本から崩壊します。また、TPPのみならずこれを前提とした経済振興諸策も見直しが必要になる可能性があります。

 

 人口減が現実となりゆく日本、大企業であれば国外の市場を開拓しながら売上と利益を確保できますが、中小企業では国内が主戦場です。経営資源が制約される中小企業では、顧客一人一人に寄り添いニーズとウォンツを確かめ応えながら、数(売上)重視の経営から質(付加価値・利益)重視の経営への転換が求められつつあります。同時に、利益最優先ではなく社員への還元も考えなければ人心離れを招き人財確保が厳しくなるでしょう。

知恵と工夫なくしては経営の舵取りが非常に難しい時代となりました。近江商人の「三方よし」…「売り手(会社と社員)よし、買い手よし、世間よし」の精神は、現代でも経営のベースであるといえるでしょう。

 経営者は健康が第一、ではなく「健康こそ全て」です。どうか御自愛ください。

(代表社員税理士・内田延佳 『月刊 アップ長崎』2016年5月号巻頭言より)