春を迎え、日々暖かさを増してきました。新年度となり、新たな社員さんが入社された企業様もいらっしゃることでしょう。弊社におきましても新入社員を迎えました。こうした前途有望な方々が一生安心して勤めあげることのできる会社であれるよう、組織として成長しなければならないと改めて思います。

 地方銀行の経営統合に思うこと

 2月末に、長崎県の二大銀行である十八銀行と親和銀行の経営統合が発表されました。金融ビッグバン後にはメガバンクの再編があり、また近年は全国で地方銀行の合従連衡が盛んだったとはいえ、長崎県内を舞台に長年ライバルとして競い合ってきた両行の経営統合には驚きました。

 

少子高齢化が進むわが国では、マーケットは縮小して企業の売上維持・拡大が難しくなっています。その一方で人手不足のため人件費負担は増加しつつあります。そのような環境下で企業が利益を出し生き残っていくためには、経営の効率化が不可欠です。国の政策課題として企業の生産性向上が挙げられているのは、そういう背景があってのことです。

この観点からみると、同じ地域で競合する両行が合併し経営の効率化を図るというのは、十分に合理性のある判断であると思います。各々のしがらみを捨て、私情を排して決断を下された両行のトップには敬服しました。

 

地元企業の立場で考えますと、この両行のいずれかまたは両方と取引をされているケースが多いことと思います。リスク分散のために両行と取引されていた場合は、銀行戦略を見直す必要があるかもしれません。またペイオフ対策の観点から預金を二行に分けていた場合は、両行の預金額が一千万円を超えている可能性があります。その場合には、預金口座の分散や、全額が保護対象となる決済性預金への移し替えを検討する必要も考えられます。

 

今年に入って、シャープや東芝メディカルなど、有名企業のM&Aが続いています。一つの組織が他の組織と一緒になるのは、当事者にとって非常にインパクトの大きな出来事です。

我々アップパートナーズグループも、2008年に二つの会計事務所グループが合併してできた組織ですので、異なる組織が一つになるという経験をしています。一緒になって初めて気付く組織文化や考え方の違いが多くあり、大小の摩擦や対立を一つ一つ解消していく8年間でした。しかし、異文化を持つ組織と一緒になったがゆえに、自らの長所と短所に気付くことができ、組織の改善ができたものと思います。

十八銀行・親和銀行の両行にも、当面は統合に伴う混乱もあることでしょうが、お互いの長所を見習い短所を見直ししていく中で、これまで以上に地域経済・地元企業を強力にサポートしてくださることと思います。

 

まだまだ寒暖の差が大きい時季です。体調を崩さないよう、皆さま十分にお気を付け下さい。

(所長税理士・内田佳伯 『月刊 アップ長崎』2016年4月号巻頭言より