猛暑の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。日頃は大変お世話になっております。

マイナンバー制度の運用開始に向けて

最近、マイナンバー制度に関する報道が増えてきました。皆様もマイナンバーという言葉を目にされる機会が増えたのではないでしょうか。今年10月から個人には12桁、法人には13桁の番号が通知され、来年1月から運用が開始されることになっています。

このマイナンバー制度、正式名称を「社会保障・税番号制度」といいますが、その名の通り主に社会保障や税制度に関する手続に利用されます。そのため、これらの手続業務に携わる社会保険労務士の方々や我々税理士は、非常に関心を持って注目しております。

さて、このマイナンバーは事業者の皆様におかれましても関わりが深い制度です。社会保障や税制度に関する手続は、専門家だけで処理できるものではなく事業者の皆様にもご協力を頂きながら進めていく必要があるからです。例えば、10月に社員の皆様に番号が通知された後、翌年1月からの各種手続のため社員の皆様から個人番号を収集していただく必要があります。この収集にあたっても本人確認作業などの手続が不可欠です。

そして手続の煩雑さ以上に問題なのは、収集した個人番号について非常に厳格な管理が事業者側に求められているということです。漏洩の防止はもちろんのこと、不要になった情報の破棄まで、事業者責任での管理が義務付けられています。貴社、とりわけ人事関係の方々にとっては業務負担増となるでしょう。加えて、管理不適切と判断された場合には、従来の個人情報保護法に比べ広範に亘り厳重な罰則が科される可能性もあるのです。

折しも、日本年金機構から100万人分をも超える情報流出が発生し、マイナンバー制度に対する懸念の声が高まっています(そもそもこの制度導入の決め手となったのは、日本年金機構の前身である社会保険庁の年金記録問題でしたので、新旧共にこの組織はマイナンバー制度とよくよく縁がありますね)。そのため、マイナンバー制度運用後もしばらくは、情報管理に対しての過剰とも思える厳格な手続や罰則が緩和される可能性は低いでしょう。弊社と致しましても、自社社員の個人番号に加えお客様の情報もお預かりする立場ですので、どのように安全で確実な情報管理体制を構築するか、真剣に検討している最中です。

この制度がお客様へもたらす影響の重要性に鑑み、お客様向けの情報提供やセミナー開催を検討しております。詳細が決まり次第ご案内を差し上げますので、マイナンバー制度への対応に活かしていただければ幸いです。

 

7月に入り暑さの厳しい日々が続きます。皆様におかれましても、ご体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

(所長税理士・内田佳伯 『月刊 アップ長崎』2015年7月号巻頭言より)