皆さん、こんにちは!

 先月もお伝えしましたが、今回から昨年12月に発表された与党税制改正大綱についてシリーズでお伝えしていきます。今回は所得税です。

 

1 配偶者控除・配偶者特別控除の見直し(平成30年分~)

 今回の改正の目玉でしょう。労働者人口の減少、人手不足が深刻化するなかで、労働時間を調整する要因であった同控除が大幅に引き上げられました(詳細はUP!2月号参照)。反面、高所得者に対しては控除額が縮小され税収への影響を抑える仕組みが導入されています(所得1,000万円超の場合は適用できません)。

 気を付けたい点としては、給与所得控除や基礎控除には変更がないため、配偶者本人の給与が103万円を超えると所得税負担の可能性があることは現行と変わりません。また、給与増に伴う社会保険料の増加や、勤務先からの諸手当への影響も考慮する必要があります。

 

2 積立NISAの創設(平成30年~49年の各年)

 平成26年からスタートしたNISA(少額投資非課税制度)ですが、手元資金の少ない若年層等の利用を促進する観点から積立NISAが創設されました。

 積立NISAは、現行NISAで120万円とされている投資上限額を年間40万円に抑える代わりに非課税期間を20年間(現行NISAは5年間)、口座開設可能期間を平成30年から49年までの20年間(現行NISAは26年から35年までの10年間)となります。

また、積立NISAの投資対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託とされており、具体的には大綱に、「①信託期間が無期限または20年以上、②毎月分配型ではない」など記載がありますが、詳細は今後検討するとされています。積立NISAは契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付けに限定され、各年毎に現行NISAとの選択適用(例:平成30年は積立NISA、31年はNISAも可)となります。

 

3 その他(医療費控除関係)

 医療費控除の適用を受ける場合、現行は医療費又は医薬品購入費の領収書の添付又は提示が必要でしたが、平成29年分(同30年申告分)からは明細書の
添付で済むようになります。但し、領収書は税務署から求めがあれば提出又は提示しなければならないため申告期限等から5年間保管していく必要があります。

 また、同29年分からスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の適用が施行されます(28年度税制改正、詳細は昨年の『月刊 アップ長崎』3月号参照)。対象者は所定の検診等又は予防接種を受けていることが条件です。対象となる医薬品・レシートには対象商品である旨の表示がされるものと思われます。

(※参照:日本薬剤師会HP http://www.nichiyaku.or.jp/yakuzaishi.php?p=20161007) 

 本誌がお手元に届く頃には、確定申告期限間近で弊社も繁忙を極めていますが、月が変われば新年度です。引き続きこれからも旬な情報を提供していきたいと思います。
 平成29年度税制改正、来月は法人税についてお伝えします。

(税理士・内田尚生(税務相談室室長) 『月刊 アップ長崎』2017年3月号より)