今月はその確定申告の準備に当たっての注意点をいくつかお伝えしたいと思います。まだ12月でしょ?と思われるかもしれませんが、確定申告は1月中に資料を揃えて、2月初旬に税理士事務所に渡すというスケジュールが推奨されます。早く、正しく書類の整理をしておくことが正確かつスピーディな申告書作成、納税額の把握に繋がります。

 

1.収入に係る注意点

 収入関係では申告漏れにご注意下さい。個人事業主の事業所得や法人役員の役員報酬(給与所得)など主たる所得については漏れることはありませんが、その他の収入については書類紛失や申告不要との認識間違いによって、所得税申告から漏れてしまうことがあります。特に色々な活動(講演、執筆、団体役員など)をされている方は何枚もの源泉徴収票や支払調書が送られてきます。また、金融商品の取引がある方は保険の解約返戻金や年金保険、株式の取引関係の書類など色々と送られてきます。

どれが必要か不要かの判別は困難です。とにかく一つの袋にまとめて入れておき、紛失しないようにしておくだけでも対応としては十分です。あとは年内に受け取ったお金に係る書類関係が揃っているかを見直しておくと良いでしょう。

 

2.所得控除に係る注意点

①医療費控除

 まずは領収書を集めることです。負担してあげた“生計を同じにする配偶者やその他の親族”の医療費も負担者の医療費控除に合算することができます。

 医療費というと病院や歯科医院への支払いをイメージされますが、一定の介護費用も含められます。例えば特別養護老人ホームに支払った施設サービス費のうち介護費、食費及び居住費もその2分の1が医療費控除の対象になります。また、ケアプランに基づいて行う訪問看護や通所リハなど医療系サービスと併用で利用する場合のみ居宅サービス費も医療費控除の対象になります。介護サービスの領収書についても忘れずにご準備ください。

 なお、医療費に係る補填金がある場合はこれを差し引いて計算することになりますので、入院時に保険金を受け取った場合はお知らせ下さい。

 

②寄付金控除

 学校法人への寄付が所得控除のほか税額控除も選択できるようになったため、税の優遇が大きく受けられるようになりましたが、気をつけたいのがよく私立にある入学寄付金です。このような入学と相当の因果関係がある支払いは寄付金控除の対象になりません。

 また流行のふるさと納税についても証明書を忘れずご準備下さい。

 

③配偶者(特別)控除および扶養控除

 配偶者の年収・所得をご確認下さい。扶養親族に入れる親族の年収・所得についても同様です。また、年の途中から扶養に入れた親族であっても控除対象扶養親族となりますので、扶養者の異動については担当者にお知らせ下さい。

 

3.最後に

確定申告は納税者と税理士事務所が情報交換を細かく行うことで早く、適正に申告できるものです。年内にあったこと、ご不明な点、気になる点は気兼ねなくお尋ね下さい。

(社員税理士・内田裕二 『月刊 アップ長崎』2014年12月号より)