皆さん、こんにちは!
暑い季節になりましたが、お変わりないでしょうか。

先月もお伝えしましたが、税務署の異動は7月です。長崎県下の税務署の異動は転居を伴う場合が多く税務調査の事前通知は7月下旬から、調査はお盆明けから本格化(異動しない職員は7月上旬に事前通知、お盆前から調査開始)します。

今回は昨年7月から今年6月までのアップパートナーズ長崎オフィスにおける税務調査の実施状況と、留意点をまとめてみました。

 

⑴ UPP長崎オフィス対応税務調査状況

上記1年間の調査は19件(前年同期13件)とここ数年でも少し多い件数となりましたが、調査官曰く、「アップパートナーズさんの関与数を勘案すれば全く多くない」とのことらしいです。
表によれば業種で医療業の多さが目を引きますが、これは医療関係のお客様が多い弊社の傾向であり、医療業が狙い撃ちされているということではありません。他には今年は国税局の無予告調査がありました。また、書面添付制度を適用しているお客様へ意見聴取が実施されましたが、弊社が対応し幸い税務調査に移行することなく終了となった案件がありました。その他は概ね対象、地域とも平均的な内容と分析しています。

⑵ 税務調査における着目事項

税務調査はお客様の経理処理や調査官によって全く同じということはありませんが、業種ごとにおおよそのポイントというものがあります。弊社では国税出身で調査官の思考を熟知した税理士が中心となって、税務調査へ対応(税目別にも専門OB顧問税理士が在籍)しています。
ここ近年の税務調査で、よく確認される事項は次のとおりです。

① 共通

 イ 現金管理(小口、単発、領収書を発行しない売上が漏れ易い)

 ロ 個人的支出の混入(交際費、福利費、消耗品費、旅費、雑費等)

 ハ 親族、グループ会社取引(契約書整備、契約額算定根拠資料)

 ニ 取得資産現物確認(バックリベート、家事使用がないか)

 ホ 資産除却損(引取や廃棄事実の分かる資料の確認、雑収入はないか)

 ヘ 源泉所得税(翌年分扶養控除等申告書は提出されているか、なければ乙欄課税。商品券支給、宿舎無償貸与、無利息貸付等の課税すべき経済的利益はないか)

 ト 各種契約書への印紙貼付

② 医業

  保険外自費収入、未収金、雑収入(歯科は金属売却等)

③ 請負工事等

 イ 売上(完成基準)は何をもって完成と判断するか。恣意的な翌期繰越等の利益調整がないか。未完成工事は翌期に出面やETC等で現場への従事が確認できるか。進行基準であれば仕掛工事の算定は適切か。

 ロ 架空の外注費、人件費はないか。工事台帳から利益率が極端に低い工事はないか。

 ハ 外注費の一人親方等で、実質的に給与とすべき支出はないか(要源泉課税、消費税課税仕入対象外)。

 

実は、税務調査では調査官はお客様だけでなく関与している会計事務所にも着目しています。
調査官は申告の誤りを見つけて追徴金を払ってもらうのが仕事です。そのためには限られた時間で効率よく申告誤りのある納税者を調査するのが効果的であり、適正な申告をしている納税者をいくら調査しても間違いは出て来ません。
会計事務所のランク付けとまではいきませんが「○○事務所はよくチェックしており間違いを見つけるのが難しい」、「○○税理士は処理に誤りが多い、何でもかんでも交際費で処理している」等の情報を調査官で共有しているのです。初めての地へ異動した調査官はそうした情報を持たないので、調査に行くかどうか迷っている時には、管内情報に詳しい調査官に会計事務所の情報を訊いて判断することがよくあります。
弊社はお客様の総合的な利益第一を念頭に置いています。税務当局にも「アップパートナーズの関与先は適正に申告されている」とのイメージを浸透させることが「戦わずして勝つ」、お客様全体の利益に繋がるものと考えています。

弊社では、お客様にとって最適な判断をご一緒に考えていきます。判断に迷った時は遠慮なく担当者にお尋ねください。

(税理士 内田尚生(税務相談室室長)『月刊 アップ長崎』2017年7月号より)