6 月に入り暑さが増してきました。長期気象予報によれば今年の夏はかなりの確率で猛暑になるようです。外出時は熱中症などに気を付ける必要がありそうです。

先端技術の活用が生産性向上のキーへ

少子高齢化により労働人口が減少しています。出生率を劇的に改善したり、移民を大規模に受け入れたりしない限り、労働人口の減少は続くでしょう。企業は人材確保のために給与の増額や福利厚生の充実など、従業員へのさらなる待遇改善が必要になると思います。
加えて、政府の方針として労働時間の短縮を求められています。5月18日の新聞によれば、厚生労働省は企業に対し残業時間の公表を求める方針だそうです。当面は従業員300 名超の企業のみ義務化の対象とするようですが、恐らく対象企業の範囲は今後も拡大していくでしょう。
企業は今後、「人件費は上昇する、その一方で労働時間は減らさなければならない」という状況で経営をしなければなりません。そのような環境下で今後も事業を継続していくために、企業は「より少ない人員で、より多くの成果を出す」ことを求められます。政府が掲げる「生産性向上」ですね。
生産性の向上は、「より少ない人員=効率化」と、「より多くの成果=収入増」のいずれか、あるいはその両方を実現することで達成できます。生産性の向上そのものは昔から経営者の重要な任務の一つでしたが、今後はこれがより強く求められる、ということです。

製造業などでは生産性の良し悪しが企業の存続の可否に直結するため、すでに効率面を中心に相当高い生産性を達成しています。今後は「インダストリー4.0」といった、ITを取り入れてさらなる生産性の向上に取り組むこととなるでしょう。
サービス業に目を向けると、日本のサービス業は他の先進諸国のそれに比べて生産性が低く、米国の約半分しかないそうです。それだけサービスの提供にコストを掛けているのだから日本のサービスの質はアメリカの二倍なのだ、と考えればたしかに納得の数字ではあります。しかし、消費者がそのために二倍の料金を支払ってくれていない(つまり付加価値が二倍ではない)ので、生産性が低いという結果になっているのでしょう。効率化を図ってコストを下げるか、コストに見合う料金を頂かなければ、サービス業は人件費の増加に押し潰されて事業継続が難しくなりそうです。ヤマト運輸は品質低下を覚悟で効率化を図り、同時に値上げもして、効率化と付加価値向上とを進めるようですが、他の企業でもいずれ何らかの決断を迫られる時が来ると思います。
現実的には値上げは簡単に踏み切れない最後の手段でしょうから、どうやって効率化(特に省力化)を進めていくかが業種に関わらず重要です。ITやAI、ロボット、ドローンといったものに、いかに人の代わりをさせるかが、事業の継続を左右する時代だと思います。ハウステンボスにロボットが接客をする「変なホテル」という宿泊施設がありますが、澤田社長はあれを珍しさが売りのイロモノとしてではなく、将来を見据えた本気の事業として取り組んでいるものと、私は思います。

現在そして近い将来、経営において「いかに先端技術を活用できるか」が非常に重要な要素になってくると思います。国も、税制や補助金で生産性向上を図る事業者様を支援しようとしています。しかし、我々のような中小企業は先端技術に触れる機会も少なく、技術の活かし方を考えることができる人材も少ないのが現実だと思います。
弊社も経営の効率化に役立つツールの情報収集に努めておりますので、良いツールがあればクライアントの皆様にも積極的に情報を提供させて頂きます。

(『月刊 アップ長崎2017年6月号』 所長巻頭言より)