とある介護事業所様にお呼びいただき、介護職員の方々向けに認知症対応講座を実施しました。レクチャー終了後に感想などについてのアンケートをお願いしたところ、次のようなご質問内容がありました。

【ご質問】
何を話しているかわからない認知症の方へは、どのように接したらいいのでしょうか? こちらが話すばかりになってしまって会話がかみ合わず、もどかしい思いをしています。
また、勝手にお部屋を出てしまうので、すぐに連れ戻す日々です。

【ご提案】
レクチャー前に、施設内を見学し利用者と触れ合う時間を持たせていただきましたが、利用者の中にはこちらが話しかけても返事されない方もいらっしゃいました。認知症ケアに携わる多くの方が悩んでおられることではないでしょうか。
これを考えるにあたって、1995年に46歳でアルツハイマー病と診断された、クリスティン・ブライデンさんというオーストラリアの女性についてご紹介します。この方は、ご主人をはじめとした良き理解者の方々に恵まれその協力を得て、認知症への正しい理解を広めようと闘病記の執筆や講演に励まれています。
クリスティンさんはこう語られています、「たしかに、認知症の人からはっきりとした言葉が出てはこないのかもしれないわ。でも、表情から相手が何を思っているのかを汲み取ってほしいの」と。会話だけがコミュニケーションのすべてではないということなんですね!!
たとえば、マッサージした時にふと見せる明るい表情、好きなテレビ番組や写真などを一緒に観て浮かべる笑顔。…そういう心が通い合う体験を共有しながら、「この人は今、どんなことを思っているんだろう?」、そう思いを巡らせてみましょう!!

(社会福祉士・介護福祉士 小関彰恵『月刊 アップ長崎』2015年12月号より)