登場人物  A:会社社長  B:顧問税理士

A:今年の確定申告も医療費の控除を受けましたが、考えていたより少額でした。

B :そうですね。対象が10万円(*)を超える金額であるため、支払った医療費の割に控除を小さく感じる方も多いようです。又、ほとんどの方は、本人と生計一親族の分を合計しても10万円まではいかないのが実情でしょうか。
但し、平成29年支払分からは、現行の医療費控除の特例制度が創設され、ハードルが少し下がりそうです。

A:どのような制度ですか。

B :一定のスイッチOTC医薬品(簡単に言うと医療用から転用された市販の医薬品)については、1 万2 千円を超える部分が、医療費控除の対象となります。

A:確定申告をする人も増えるかもしれませんね。何か留意点などありますか?

B:「適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から」の制度であるため、要件として、一定の予防接種や健診などの取り組みを行っていることが必要です。あと、現行の医療費控除との併用ができない点や控除限度額が8 万8 千円である点も注意が必要でしょう。

A:財政面からの、保険診療からセルフメディケーションへの勧奨かもしれませんね。

B:対象品目など、詳細が確定したら又お話しします。

(*) 総所得金額等が200万円未満の場合はその5%

(税理士・田上孝博(税務相談室主査)『月刊 アップ長崎』2016年3月号より)