登場人物  A:会社社長  B:顧問税理士

A:決算時に棚卸した商品の金額は、最後に仕入れた時の金額で計算しますよね。

B:いくつか計算(評価)方法がありますが、特に選択や届出をしていなければ、お話しの「最終仕入原価法」によって評価します。但し(翌期首一定の調整がありますが)、「その棚卸資産を売却するものとした場合に通常付される価額」がこれより低ければ、その価額とされています。

A:他に、評価額が下がるケースはないのですか。

B:大きくは2 つのケースが認められています。
1つは、「災害による著しい損傷」があった場合ですが、(滅失した時は当たり前として、)損傷によりその資産の価額が帳簿価額を下回ることとなった時も評価換えをすることができます。

A:当然認められるべきものですね。もう1つはどのようなケースですか。

B:その資産が著しく陳腐化した場合です。正確には、「そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しない」ケースとされています。
少しわかりやすく言うと、①いわゆる季節商品の売れ残り品で、その価額の低下が著しい ②型式、品質等が著しく優れている新製品が発売されたため、従来通りには販売できないようになったようなケースです。

A:なるほどわかりました。ところで今更ですが、棚卸は少ない方がいいんですよね?

B:視点や立ち位置により考え方が異なりますので、また次回、少し詳しくお話ししますね。

(税理士・田上孝博(税務相談室主査)『月刊 アップ長崎』2016年6月号)