毎月ご覧いただきありがとうございます。医療福祉評価センターの小関です。今回は接遇に関しての第5弾!! 「おしゃれと身だしなみ」について考えていきましょう。
業種問わず「身だしなみは必要よ!」と言われていますが、病院や介護施設など人のケアに携わる職業では特に重視されます。「ボロは着てても心は錦~♪」とはなかなかいきません…。

まず、介護スタッフさんを例として次のことを考えてみましょう。「なぜ身だしなみを整える必要があるのでしょうか?」、利用者やそのご家族からこう問いかけられたら、どのようにお答えになりますか?
接遇研修などで受講者のみなさんにお伺いしているのですが、答えていただけるときもあれば、沈黙が続いてしまうときもあります。身だしなみが必要ということはわかっているものの、その理由となると案外答えに詰まってしまうんですよね…。

それでは、少し視点を移してみましょう。おしゃれと身だしなみの違いはどんなことだと思いますか? この二つ、似ているようで意外と紙一重なんです。
いろんな考え方があるとは思いますが、「接遇」…接して遇(も)てなす観点からは「おしゃれは自分のためにするもの、身だしなみは他人のためにするもの」と言えます。こう考えてみると、最初の質問について考えるヒントになるのではないでしょうか。介護者の場合は、「介護者と利用者お互いの安全のため」という考え方が大切だと思います。

だらしない服装で介助をしていると、自分のズボンの裾を自分で踏んだり洋服の裾をどこかにひっかけたりして、転倒する危険度が増します。また、特に介助中だと利用者と一緒に転倒する危険まであります。また、アクセサリーはとがったものが多く利用者を傷つける恐れがありますので、業務に入るまでに小さいものでも外しておきましょう。

また「服装の乱れは心の乱れ」とよく言われるように、身だしなみには人としての心構えが表れます。だらしない姿では、利用者に「このスタッフさんからはやる気が感じられないなぁ…。」、「自分の介助をしたくないんじゃないか?」と、不快感や不信感を持たれてしまいます。

介助する側される側も気持ちよくいられるよう、身だしなみを大切にしたいものですね。

・ヒゲが生えていないか?
・髪色・ヘアアクセサリーは職場に適しているか?
・爪は清潔で適切な長さに切ってあるか?
・靴が汚れていたり、かかとを踏んでいたりしないか?

こういったチェック項目は、施設・事業所でルールを決めていることが多いようです。更衣室や事務室に貼り出すなどして、スタッフさんどうしで勤務前にチェックしあうといいでしょう。

もちろん、「おしゃれ」と「身だしなみ」がまったく違うものかというと、そうでもないんです。「スーツマジック」なんて言葉もあるように、身だしなみを大切にしていればそれが自然とおしゃれになることもありますし、TPO(時・場所・場合)をわきまえながらおしゃれを楽しむことで身だしなみに通じることもあります。
「人も自分も心地良く」、…これが一番ですよね!!

(接遇インストラクター・小関彰恵(社会福祉士・介護福祉士)『月刊 アップ長崎』2016年12月号)