謹賀新年-聡明たること、“申” の如し!

昨年は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
今年はサル年です。サルとは動物の猿ですが、干支では申(さる・しん)と表記します。干支占いによれば、サル年生まれは十二支の中でも、「ダントツに合理的・現実的」「的確な状況判断力」「大胆不敵」「冷静沈着」「人気者」「社交上手」「磨けば光る才能」「洞察力・行動力」などの特性に恵まれており、「努力」を怠らなければ大成するそうです。
一介の農民から天下人になった豊臣秀吉は、主君織田信長から「サル」と言われながら粉骨砕身努力して認められ出世していきました。
後に秀吉は、信長について「信長公は勇将であったが良将ではなかった。剛をもって柔に勝つことを知っておられたが柔が剛を制することを御存知なかった。これは人間の器量が狭いためである。人には敬遠され衆から愛されたことはない。度量が大きく人々に愛される者こそ天下人になれる」そう評したそうです。
秀吉はかつての主君・信長の生き様から天下人のあるべき姿を悟り、天下統一を成し遂げたのです。まさに「サル」の長所…愛嬌ある表情や周囲を見通す能力を活かして人生を歩んでいったのでしょうね。彼は現代のビジネス界でも成功するタイプであると思います。

さて、今年7月には参議院議員選挙が実施されます。安倍政権の長期化を容認するか否かの重要な選挙になるでしょう。
安倍首相は就任早々経済成長のための「三本の矢」、すなわち「①金融政策」「②財政政策」「③成長戦略」を掲げました。「①金融政策」においては、日本銀行の協力を得た異次元の金融緩和を通じて、円安・株高(株価倍増)や企業業績の過去最高水準への回復を主導し、アベノミクスの基盤を築くことに成功しました。しかしながら、「②財政政策」と「③成長戦略」においては未だ道半ばの状況です。
企業経営者の中には「成長戦略に欠かせない規制緩和や、財政の健全化に必要な社会保障などの削減といった利害調整が難しい施策は後回しとなり、金融緩和だけが先行している」といった厳しい意見もあります。現在我が国が好況と言われているのは、日本銀行による金融政策とそれに触発された一部民間部門の回復が加わった結果であるに過ぎません。この現状は、地方経済が活性化しない一因でもあります。
この度、安倍内閣が掲げた「新・三本の矢」は「①希望を生み出す強い経済(GDP600 兆円)」、「②夢を紡ぐ子育て支援(出生率1.8)」、「③安心につながる社会保障(介護離職ゼロ)」からなります。
「旧・三本の矢」は継続され、その上で「新・三本の矢」が実現されるシナリオです。その中心は「①GDP600 兆円」です。この実現のためには、「②子育て支援」や「③介護離職ゼロ」などを通じて1億の国民すべてに活躍してもらう必要があるのです。
今後の課題は「新・三本の矢」の具体策とその達成時期です。「旧・三本の矢」と併せ腰砕けにならないよう、私たち国民も注視していく必要があります。
安倍政権の課税基本方針は、「法人減税」・「個人課税(所得税・相続税)強化」・「消費増税」です。中小企業においては経営者と企業は実質懐が同じです。そのため節税策は、法人と個人との税負担をバランスさせながら考えていく必要があります。やはり、何事においても経営者はバランス感覚を持つことが大切ですね。

私事ですが税理士になって40 年になります。皆様のおかげをもちまして事務所の規模では地域一番になりました。しかし組織的にも人間的にも一流にはまだまだ道遠しです。弊社(組織と社員)の今後の課題は「一流」を目指し鋭意努力していくことであると考えます。
今年も皆様のお役に立てるよう尽力して参ります。皆様のご多幸を祈念して新年のご挨拶と致します。

(代表社員税理士・内田延佳 『月刊 アップ長崎』2016年1月号代表巻頭言より)